新しい中学校での挑戦

中学2年生より札幌市内の中学校に転入となり。新しい生活が始まった。驚いたのはその生徒数だ。東京の中学校は3クラスだったがこの中学校は9クラスあり1学年330人ほどだ。

人数が多いこともありいる生徒も多種多様だ。頭の良い真面目な生徒やいわゆる不良と呼ばれる生徒、不良なんだけど勉強がやたら出来るような奴もいた。だがこの学年は割りかし平和な方に思えた。

2年3組に転入した自分は生徒も仲良く先生も温厚な若い男の先生だった。すぐクラスにも馴染めたような気がした。

そしてすぐさま野球部に入部する。この中学校の野球部は札幌市内でも強豪と呼ばれるチームで軟式野球ながら札幌市内はもとより地方の強豪高校にもスポーツ推薦で進学する生徒もいるほどだ。昨年は春季大会で北海道でベスト8、夏の中体連で札幌市準優勝、全道大会ベスト4と好成績を納めている。ちなみに監督の先生は自分のクラスの副担任でもあり、かなり怖い。

野球部には独特なルールがあった。まず野球部に関わる先生、そして先発に会ったら大きな声で「ちわーっ!」と挨拶をすること。これがこちらが気付かずにスルーしてしまうこともあるのだがそんなのお構いなし。挨拶を忘れてたらその日の練習が大変な事になる。怒鳴られるならまだしもノックのボールが飛んで来ないとかバッティングの順番が回ってこないなど無言で練習から外れろと言わんばかりの制裁を受けることもある。最初は人がいっぱいいたり女子が見てる前で大きな声で挨拶するのは気が引けたが徐々に慣れていった。

あと服装の乱れを見つかっても大変なことになる。シャツ出し、明らかなネクタイの緩み、腰パンなど見つかったらその場で胸ぐらを掴まれて「今日の練習は来んでいい」と言われる。それでも来た日には怒鳴り散らされグラウンドから追い出される始末。これが部活での野球なのかと色々思い知らされる。

自分はここでやるに当たって決めてた事がある。やるからにはショートのレギュラーを取りに行く。今までレギュラー争いというものに消極的で棚ぼたで使われていた事も多々あったが前のクラブチームで揉まれた経験から少しは自信が付いてきた。そして自分の長所は何なのかを考えていた。短所はたくさん出て来るが長所については考えた事が無かったのだ。そして出た結論が足だった。

自分は足が比較的速い方だった。中学校2年生ながら100Mを13秒を切るタイムで走っていた。この足を生かすには何をすべきかを考えた。そう、ゴロ打ちの練習を徹底した。三振からは基本何も生まれない。当たれば何かが生まれる。フライでも落ちる可能性がある、ゴロはイレギュラーやお手玉、エラーの確率も高い。ゴロはあらゆる事が想定される事から入部してすぐゴロを打つ練習をした。

だが周りの先輩方は上手い人ばかりだ。ショートのレギュラーの先輩は動きも軽やかで基本エラーは無い。派手さは無いが打球を確実に処理する職人タイプだ。バッティングも3番打者で打率も3割5分を越えるアベレージヒッターだ。2番手ショートが自分の同級生で実質この男が新チームのショートストップと言われており、肩が強く打球反応も素晴らしい。この人たちと争うのかと考えたら自信も失いかけた。だが決めた以上は割って入っていかないといけんと自分に言い聞かせた。

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